人は自由が嫌い?

 

自由になりたがらない人々

 

日本人は、農耕民族であるがゆえに、育った場所や土地から離れるという発想があまりないと言われています。実際に私たちは、昔からの幼馴染や同じ学校出身という「くくり」で群れたがるし、そういう集まりは当たり前のように繰り返されます。

集団や組織といった人の「群れ」で言われる事は、「人に優しく」や「周りの事を考える」という道徳的スローガンです。多くの人が「他者に対して気を配る」という行為は偉いものであると幼い頃から教育されて成人します。

 

人と違う事をする人が「空気が読めない」と揶揄されるのも、集団に馴染もうとしない事に対する制裁です。私たちにとって「人の目を気にする」のは当たり前とされる一方で、「自由」は大衆の意向に沿わない行為も意味しており、世間一般には受け入れられにくい印象があります。

平均的な暮らしをし、サラリーマンとして電車通勤をし、なじみのメンツと時々集まりながら流行にも遅れる事なく生きていく。多くの人が良しとする社会人像というのは、「人と同じような生活を出来ている人」なのではないかと思います。

 

自由になりたくない理由

人が必ずしも自由になりたくないと言うのは、自由というものと引き換えに「安心」が奪われるというイメージも関係していると思います。「安心」というのは、人と同じように生活しているという同族意識であり、周りの人が良いと言う価値観に自分も賛同する事で得られる仲間感です。

身近な人が自分を受け入れてくれないという否定的な態度は、私たちを不安にさせます。なので、自分にとってより重要な人、家族や同僚であれば、なるべく彼らの思惑から外れないように行動パターンを決めているはずです。

 

周りの人と同じように生きるという「安心」と、自分の思うがままに生きるという「自由」を比べたとき、「自由」は得なのかどうかを考えてしまいます。「自由」になって得られるものが、今の環境を手放してまでも手に入れる価値があるものかどうかが分からないから、今の延長線上に生きていく事が一番だと思ってしまうのです。

また、多くの人が思い描く「自由」の理想像には、「安定」も失うという不安もあります。会社勤めであれば毎月同じ額を給料として貰う「安定」があるけれど、「自由」にはその「安定」がないから嫌だという抵抗が生まれるのです。

 

自由になりたくない、というのもまた嘘

「自由」に対するマイナスイメージやデメリットというのは、多くの人が想像するところです。しかしながら、多くの人が「絶対に自由なんかになってやるものか」と思っているかというと、それもまた違うのではないかと思います。

つまり、多くの人はどうにかして「自由」になりたいとは思っているけれど、それを素直に口にしたり実際に行動する事は出来ないという状況にある気がするのです。

「人並みで良い」という気持ちがありながらも、「本当はもっと違う事をしたい」「あんな風に奔放に生きられたら楽しいんだろうな」とも思うのが本音なのではないでしょうか。

 

今の生活に本当に満足しているのなら、誰も悩んだりしないはずなのです。でも、「悩んでいない人などいない。誰しも悩みを抱えているものだ。」と言われると、そうだよなと素直に頷けてしまう。

それは、多くの人が自分は「自由」になりたい事を心のどこかでは知っていて、「自由」になれれば悩みが解決する事にも気づいているけれど実際の行動に移すのは容易くないと感じているからだと思います。

 

自由を受け入れるには

私は、人は本質的に「自由」を求めていると思います。

- 人間は考える葦である -

これはフランスの哲学者パスカルが残した言葉ですが、人間は脳という器官を持ち「考える事」が出来る生き物です。

この「考える」という行為は、自分をより良い方向に進めるために行われます。人が頭を使って考えるのは、結局のところ「良い人生を過ごしたい」という積極的な目的のためなのです。

 

「もっと仕事が出来るようになりたい」「稼げるようになるにはどうしたらよいか」と考えるのも、仕事が出来て稼げるようになり、自分の人生を好転させるためだと思います。

また「失敗したらどうしよう」「将来が心配」という不安な考えが浮かぶのも、失敗や心配を予め把握し不測の事態に備える事によって、自分の人生を順調に進めるためにあるのです。

 

「自由」に対する思いが湧いてくるのは、ネガティブな考えであったとしても、人生という大枠で見ればより良く生きたいという前向きな潜在意識によるものです。恐れや大丈夫かなあという気持ちは、あなたが本当は「自由」を望んでいるという証拠でもあります。

「自由」を意識して考えている時点で、あなたには「自由」になりたいという気持ちがあるのだと思います。今のまま生きていくのか「自由」を選ぶのかに迷ったら、あなたの無意識の声に、少し耳を傾けてみるのも良いかもしれません。

自由になりたいあなたへ