「今」は限りなく近い未来
あなたが、自分の将来について考えを巡らせているとします。
「自分のやりたい事は何だろう?好きな事は?挑戦したい事は?」。
沢山の問答が、頭の中を駆け巡っているかもしれません。
「本当にやりたい事」を見つけ出すのは、そう簡単ではないかもしれません。
大抵の場合、私たちが思いつく「やりたい事」とは「知っている事」です。
つまりは、「知らない事」は、「やりたい事」に浮かんで来ません。
江戸時代の日本は鎖国していて、外交がほとんど無かったため、
その頃の日本人の多くは外国がどういう所かを知りませんでした。
アメリカという存在を知らないのですから、アメリカに行きたいと思う人はそう居なかったでしょう。
しかし、学問に精通していた医者や文化人は、鎖国中も外国情勢を知っていたため、
当時でも海外留学をしたり交流したりしていました。
「知っている」か「知らない」かで、
やりたい事・好きな事・挑戦したい事は、簡単に変わってしまいます。
あなたが今考えている「やりたい事」というのも、
今のあなたが持っている知識や経験に依存しています。
ですから、将来的にやりたい事が変わる可能性もあり、
むしろやりたい事が変わらない方が稀かもしれません。
なぜなら、将来でもやりたい事が変わらないという事は、
知識や経験を新たに習得していないという事でもあるからです。
そんな人はよほど狭い世界で情報に触れずに生きているのです。
つまり鎖国状態です。
では、今、「やりたい事」を考えるのは無駄なのかと言うと、そんな事はありません。
例えば、今がお昼の12時00分00秒00だとします。
あなたが考えている「やりたい事」は、12時00分00秒00という「一瞬」だけのやりたい事ではないはずです。
たいていは、将来の事を考えているわけですから、数年単位だったりします。
もっと短く、今から数ヶ月にやりたい事とか、今月でやりたい事でも良いわけです。
さらに言えば、今日やりたい事、12時30分までにやりたい事、この1分間・・・30秒・・・1秒・・・。
どんどん時間を短くして切り取っても、
12時00分00秒00という「今」とほぼ同時に、
「未来」は訪れます。
つまり「今やりたい事」は、「限りなく近い未来にやりたい事」です。
遠い未来を予測して「やりたい事」を考えるのは、時に非常に難しく感じます。
しかし、「今やりたい事」を考えるのは、それに比べてはるかに楽ではないでしょうか。
大きな事でなくても、ごはんを食べたいとか、本を読みたいとか、走りたいとか、なんでも良いわけです。
これら一つ一つを、くだらないなどどスルーする事無く、丁寧に拾っていく。
そうすれば未来、少なくとも近い未来が見えてきます。
「今」とは、「限りなく近い未来」。
「今やりたい事」を大切にする事で、未来を創る事が出来るはずです。